フランシスコッポラワインとステーキの夜

フランシス・コッポラと言えば、「ゴットファーザー」、「地獄の黙示録」などの作品で有名なアメリカの有名映画監督だ。その彼が1975 年にナパ ・ ヴァレーの歴史あるニーバム ・ エステートの一部を購入して以来、カリフォルニアワインの歴史に敬意を払いながら高品質なワイン造りを続けて来た。ワイン造りは数世代続くコッポラ家の生活の一部で、フランシスの祖父アゴスティーノはニューヨークの自宅の地下で自家製のコンクリート発酵槽を使って日常消費用ワインを造ってい他との話もある。

ぽんこつマンは、かつて日本の広告関連の仕事でバリバリ働いていた1985年−2005年頃にアメリカに撮影やCG制作、編集などで出掛けた時にワイン屋でコッポラワインに出会っている。最初にアメリカで仕事終わりに飲んだ時は、ロベルトモンダビのワインと同じく、フランスやイタリアのワインとは大きく異なり、オールドワールドワイン独特の芳醇さやまろやかさに乏しく、発酵熟成による独特の旨味に乏しい、ブドウのアルコール飲料という感じだったという記憶がある。

それでも有名映画監督が所有する畑で作られるワインということで、日本への土産として、何回かは買って帰って来ては、日本でも飲んでいた。

2006年、彼はソノマ・ カウンティに新しいワイナリーを購入し、それから5 年の年月をかけてリノベーションを終了し2010年10月、新生「フランシス ・ フォード ・ コッポラ ・ ワイナリー」が誕生したらしい。フランシス・コッポラが「ワイン ・ ワンダーランド」と呼んだこの新しいワイナリーは子供からお年寄りまであらゆる年齢層の人々が一日満喫できるリゾートとして楽しむことができるらしい(http://www.wineinstyle.co.jp/winery/winery_detail.cfm?dmnID=509 から引用)。

しかしながらぽんこつマンがポンコツになり始めた15年前くらいから、毎年出かけていたハワイへも行かなくなりアジアそれもタイにハマるようになってからは、タイでも日本でもしばらくコッポラワインを目にすることはなくなっていた。

なんだか久しぶりにステーキを焼いて食べたいという衝動に、チェンマイにある高級食材を扱うリンピンスーパーマーケットに連れ合いと共にステーキに良さげな肉を探しに出かけたが、その時にワイン売り場に、コッポラワインが4種類置かれていた。

それを見てぽんこつマンは昔の郷愁が蘇って来た。アメリカで初めて飲んだ時はさほど旨いとは思わなかった。今では超高級品になったオーパスワンも1990年頃はカウアイ島のプリンスビルというリゾートにある地元のスーパーでもロベルトモンダビの5ドルくらいのワインと同じように置いてあり当時もちょっと高価なアメリカワインではあったが1本数万円というほど効果ではなく100ドル前後だったような気がする。そもそもぽんこつマン的には当時のカルフォルニアやオーストラリア、チリといったニューワールドのカベルネソービニオンの味わいはやはりそれほど素晴らしいとは感じなかった。ニューワールドでもニュージーランドのソービニオンブランやサウスアフリカのシラー系はカジュアルな食事に飲めるワインとしてよく買っていたが…….。

ぽんこつマンは、そのコッポラワインのカベルネソーヴィニョンクラレットの値付けに多少驚いたが、まぁここはタイ、ワインは日本の約3倍の値付けということで 1890bahtという値付けに納得して購入した。

ステーキ用の肉はタイ産WAGYU?(タイには食品偽装は普通にある感じ)のストリップロイン。黒毛和牛A5ランクの肉に比べると柔らかさは比べ物にならないが、しっかりとした肉感が逆にコッポラワインに合って良い感じだ。

ぽんこつマンはコッポラ監督の代表作「ゴットファーザー」の主役「ドン・コルレオーネ」の出身地であるイタリア・シチリア島で栽培されているネロダヴォラという黒ブドウのワインの飾りけのない素朴な味わいが好きなのだが、このコッポラワインも昔より洗練されて味の統一感が出ていると思った。

自家製のカニカマピザもあり、ちょっとアメリカのイタリア系移民の食事のようだと、感慨にしたった夜だった。